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輸送最適化でランド・オ・レークス社の倉庫レイアウトを検証

By LLamasoft  November 13, 2017

輸送最適化でランド・オ・レークス社の倉庫レイアウトを検証

子供の頃、兄が空き缶を使ってテニスボールのランチャーを作ったのを見て、とても驚いたことがありました(図1)。空き缶数個の上下に数カ所の穴を開けてテープでつなぎ、下の缶の側面に燃料(アルコール)を送る穴を開け、上の缶の蓋を全部開けてボールをセットします。マッチでアルコールに火をつけると、ボールは20メートルくらいの高さまで跳ね上がりました(注意:決してマネをしないでください)。

 

図1 空き缶ランチャー

図1 空き缶ランチャー



 

ランドオレークス社の倉庫プランニング担当マネージャーから、最適な倉庫レイアウトを割り出して欲しいという依頼を受けた時、この空き缶ランチャーのようなクリエイティブな方法はないかと考えました。そして、輸送最適化の機能を使って、現在のレイアウトでの移動距離と変更案の移動距離とを比較することを思い付きました。

倉庫プランニング担当マネージャーの依頼は要するに、顧客注文の頻度(1件の注文で複数の商品が発注されることがあるため)を考慮して、現在の倉庫レイアウト(図2)と彼が作った変更案(図3)とでは、どちらがフォークリフトの平均移動距離が短くて済むかを知りたいというものでした。

倉庫プランニング担当マネージャーは、各製品を共通点や属性でA、B、Cに分類し、AとBに分類された製品を倉庫の荷捌きエリアに近い場所に配置するレイアウト案を作成しました。この配置でより効率的な動きが期待できると考えたためです。

図2 現在の倉庫レイアウト

図2 現在の倉庫レイアウト

 

図3 レイアウト変更案

図3 レイアウト変更案

 

 

 

評価の基準はシンプルで、フォークリフトの移動距離が短い方が良いレイアウトということになります。

車両経路最適化(VRO)を使ってこの問題に斬新に取り組もうと思ったのは、倉庫でのピッキングのプロセスと車両経路の選択とに多くの類似点があったからです。例えば、

 
注文のピッキング    車両経路の選択
注文アイテム     経路に組み込む荷物
注文     経路
フォークリフトと運転者の制約     車両とドライバーの制約
ピッキングコンテナ(ビン)     顧客
荷捌きエリア     集約拠点

 

主な課題とソリューション

類似点が特定されたので、次のハードルは、この問題を輸送最適化エンジンが理解できる環境に調整することです。これには3つの大きな課題がありました。

1.ピッキングコンテナ(ビン)と荷捌きエリアに座標(緯度、経度)と適切な尺度を割り当てる。

この課題を解決するため、倉庫の設計図を活用して座標のシステムを設定しました。そしてピッキングコンテナ(ビン)と荷捌きエリアの座標(緯度、経度)を算出し、地理的単位1度= 69マイル = 70フィートととして倉庫の尺度を定義しました。(図4)

図4 - 倉庫レイアウト上の地理座標

図4 – 倉庫レイアウト上の地理座標

 

この場合、荷捌きエリアあるいはドックの座標は、緯度2.057、経度0.629(2.057W、0.629S)となります。

 

2.オーダーと発注者である顧客とを紐づける。

通常の倉庫業務では、注文にある各アイテム(オーダーライン)をピッキングして注文処理が行われます。複数の顧客の注文が同時に入った場合には、注文が混同しないよう、個別にピッキングを行います。これを輸送最適化に反映するため、個々の注文の到着時刻と納期が重複しないようにしました。

 

3.結果をまとめる際には、モデルが出した距離を尺度に合わせ、さらに輸送最適化が使用している距離の迂回係数(distance circuitry factor)を調整し、直線距離の計算を現実世界のものに近似させる必要があります。

これは重要なポイントです。VROは2点間の直線距離と迂回係数に基づいて計算を行うため、出される数値は必ずしも実際の距離ではなく、このアプローチの限界と言えます。倉庫にはラックやコンテナー(ビン)が置いてあり、フォークリフトはこうした障害物を乗り越えてピッキング場所に行くことはできないため、結果通りのルートを反映できない場合もあります(図5)。

 

*図5 – VROと現実世界での距離

*図5 – VROと現実世界での距離

 

 

VROでの線:直線

実際の距離:点線

こうした限界はあるものの、同じ基準を使用してレイアウトを比較しているため、このアプローチを使って、どちらのレイアウトが良いかを十分に判断できます。

今回ご紹介したのは、ランド・オ・レークス社で輸送経路の管理と全体的な効率化にVROが利用されている一例に過ぎません。

 

ランドオレークス社は最適化のテクノロジーを活用して、サプライチェーンネットワークと輸送最適化の戦略をより効率的に管理しています。詳しくは、こちらをご覧ください。

 

*注:距離については「直線+迂回」がデフォルトですが、LLamasoftソリューションでは「トランジット・マトリクス」のテーブルで特定の距離を使うこともできます。

 

Erik Lopezmalo氏は、ランドオレークス社サプライチェーン・プランニング分析チームのシニア・オペレーション・リサーチアナリストです。このチームはサプライチェーンデザインの手法を活用して、同社の3つの事業部門で百万ドル規模のコスト削減を見出しました。Lopezmalo氏は15年以上にわたり、食品、コンサルティング、建築資材の業界でサプライチェーンデザインのプロジェクト管理に従事しています。メキシコシティにあるInstituto Tecnológico Autónomode México(ITAM)でMBAを、Universiada Iberoamericanaで生産工学の学士号を取得しています。