事例

シュナイダーエレクトリック社
サプライチェーンモデルで800万ユーロの削減可能コストを発見

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この世界はエネルギーで動いています。シュナイダーエレクトリック社は、そのエネルギーで世界がよりスムーズに動くよう貢献している会社です。グローバル企業である同社は、電力会社から業界、消費者などあらゆる分野のエネルギー管理ソリューションを構築しています。さらに、「スクエアディー」をはじめ、同社が買収したブランドの多くが各市場で高く評価されています。

目標:

シュナイダーエレクトリック社が掲げるサプライチェーンデザイン・プロジェクト第1段階における4つの
目標:

• 経路選択のベストプラクティス基準を作成
• 既存のフットプリント内のモノの流れを最適化
• さらなるビジネス統合、事業分割の機会を評価
• 買収など粒度の高い機会にモデル化範囲を拡張

ソリューション:

LLamasoft® Supply Chain Guru®

結果:

チームは期待された成果だけでなく、想定外の成果も達成:

  •  輸送コストで800万ユーロの節減を発見
  •  経路変更でCO2排出量も減少の見込み
  •  統合可能な3つの分野を特定
  •  組織全体で利用可能な製品の流れを表すマップを作成
  •  ベースラインモデルの作成(買収の可能性など特定の状況を分析するための基礎となる粒度の高いモデル)

課題

シュナイダーエレクトリックは世界に240の製造施設と110の物流センターを有しており、そのサプライチェーンが複雑であることは想像に難くありません。店舗の棚に収まるような小型ブレーカーから、部屋ほどの大きさがある変圧器まで様々な製品を扱っています。言うまでもなく、大型製品には輸送が難しくコストが高くなるものもあり、製品を最終目的地まで安全、かつコスト効率よく運ぶため、船舶、航空、トラックなど様々な手段を利用しています。

同社は買収を通じて大きく成長してきましたが、同時にここ数年で一部のブランドを売却しました。同社のモデル構築の目的は、既存のサプライチェーンのコストを削減するだけでなく、モデルを構築して潜在的な機会を分析し、新たな事業部門、製品、地域をコスト効率よく組み込むことでした。

同社は2013年にサプライチェーンのモデル化を担当するチームを設立しました。当初から、上級レベルのモデル化スペシャリスト(モデル作成ツールの使い方を理解し、組織全体に渡ってシニアマネージャと協力して企業目標をサポートできる人材)をチームに配置することが戦略として決まっていました。さらに、サプライチェーンのモデル担当者をフランスのリュエイユ – マルメゾンの本社に集中させるのではなく、各地域に配置することにしました。現在、モデル担当者は本社に7名、他の地域に8名が業務に当たっています。

プロジェクトの流れ

シュナイダーエレクトリックは、ラマソフトの協力でサプライチェーンの下流を分析する初のモデルを構築することを決め、達成したい4つの目標を掲げました。

  •  経路選択のベストプラクティス基準を作成する
  •  さらなる統合、分割の機会を評価する
  •  既存のフットプリント内のモノの流れを最適化する
  •  買収や事業分離など粒度の高い機会にモデル化範囲を拡張する

同社のサプライチェーンの複雑さやモデル化の経験レベルを鑑みると、このプロジェクトは相当な作業になると思われました。そのため、同社のチームはバックエンドのソルバーの変更など、モデル化プロジェクト実施中にラマソフトのサポートを大いに活用しました。

同社のロジスティクス・ネットワーク分析担当の上級グローバルマネージャーであるリー・ボサム氏は、「この規模のモデル構築で生じる課題を侮ってはいけない。問題解決のためのモデルでも、単なるデータ収集であっても、簡単な作業ではないのだから」と述べています。

チームには、データについて解決すべき大きな課題が2つありました。まず、グローバルデータが複数のレガシーERPシステムに分散していたことです。これは買収で成長してきた企業の多くが抱える課題です。同社には103のレガシーシステムがありましたが、データの大半はそのうちの27のシステムに保存されていました。データ収集のため抽出ツールをカスタマイズしましたが、それでもデータの確認とクリーニングは必要であり、その作業にも時間がかかりました。最終的にはデータを9つの地区モデルにまとめた後、1つのグローバルモデルに統合しました。

もう1つの課題は、データの欠落です。同社は既存レーンについて十分なデータ知識があったものの、それでも欠けているデータがあり、それを埋める必要がありました。たとえば、ある経路の海上輸送の料金データはあるが、航空便が欠けている、20フィートコンテナの料金データはあるが、40フィートが欠けているといったことです。モデルを実用的なものとするため、3PL業者などの協力も得て、かなりの時間を費やして欠けているデータを収集しました。作業の簡素化のため、料金が同等だと思われる地域や国についてはデータを統合しました。

これで必要なデータが手に入りました。次はモデル構築です。モデルの規模が大きくなってしまうため、範囲を国外の出荷に絞り、国内についてはそれぞれの地区担当グループに任せることにしました。これでモデルが簡素化されただけでなく、節減額がグローバルと地区レベルで重複することもなく、効果がより鮮明になりました。

チームはモデルをさらに簡素化するため、顧客への最終配送部分を除外するとともに、30万あるSKUを発地、在庫タイプ、製品群などの属性に基づき1,800の製品グループに絞り込みました。こうした簡素化を図ったものの、結果的には20万以上の輸送ポリシー、13万以上のモノの流れの制約、150以上の初期シナリオを持つモデルとなりました。モデルの実行には約2〜4時間かかりましたが、チームが取り組んでいた疑問の複雑性を考えると、許容できる時間です。

結果

モデルでは、物流センター経由の経路を工場直送に切り替えるなど製品の流れを変更することで、年800万ユーロの削減機会が見出されました。削減可能なコストのほとんどは、荷役や在庫維持など変動費でした。モデルではさらに、統合が可能な分野も特定できました。モデルを通じてコスト削減の可能性だけでなく、輸送経路の変更によるCO2排出量の削減やコンテナの積載率の改善など、予期外のメリットも見つけ出すことができました。

さらに、製品の流れが分かる利用価値の高いフローマップが作られたことも、想定外の成果でした。同社ロジスティクス・ネットワーク分析担当のグローバル・ディレクター、マーカス・ルマスター氏は、「この4年間に見い出した最大のメリットは、最適化されたモデルだけではありません。グリーンフィールド(新規拠点)のマップや需要のヒートマップ、モノの流れのベースラインマップを作り上げた時にも、大きなメリットを発見しました。社内には、当社製品がどう流れているかを初めて見たという人も多く、たくさんの新たな洞察を得ることができました」と述べています。

チームは輸送経路選択のベストプラクティス基準を作る枠組みを探し求めていましたが、その枠組みもモデルから得られました。さらに、世界の輸送料金のデータベースも利用できるようになりました。このモデルを使って、地域、製品、事業部門ごとのより細かいモデルを約1週間で構築することも可能です。これにより、買収の潜在的な影響の分析をより簡単に行い、新たな製品や顧客を組み込むための最善の経路を提案することができるようになりました。