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サプライチェーンデザインを使用して成功するM&A戦略を策定する

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M&Aを効果的に実施するためのサプライチェーンモデルの活用について説明します。

  •  M&A戦略を策定
  •  新たなサプライチェーンを最適化
  •  今後のサプライチェーンをデザイン
  •  サプライチェーンのパフォーマンスを予測

 

本ホワイトペーパーの内容:

1.絶好の機会、潜む大きなリスク
2.サプライチェーンデザインをM&A戦略に応用して合併後の状況を向上させる
3.合併前分析と事例
4.合併後分析と事例
5.子会社売却分析と事例
6.節税効果のあるサプライチェーンをデザインする
7.合併のモデル化
8.M&A事例
9.成功するM&A戦略のために

 合併や買収(M&A)では、新しい組織のサプライチェーンデザインに非常にたくさんの選択肢が生まれます。しかしながら、圧倒的多数のM&A戦略が経営陣や株主の期待に応えられていません。サプライチェーンデザインのテクノロジーは、サプライチェーンのモデル化、代替選択肢の評価、構成の最適化、複数のシナリオのシミュレーションを行う機能を提供します。それにより、企業は、合併の結果統合される組織のオペレーションのパフォーマンスを予測することが可能です。

絶好の機会、潜む大きなリスク

世界各地の政治および経済不安は続いても、世界規模のM&Aはその数も取引額も堅調を維持しています。EY社による最近のグローバル調査によれば、回答した企業の50%以上が今後12ヵ月のうちに買収に積極的に取り組むとしており、2億5000万~10億米ドル規模および10億~50億米ドル規模の取引の拡大が予測されています1。

その一方で、M&A戦略を成功させるのは極めて困難な状況となっています。参照するレポートによっては、M&A戦略の失敗率は50~85%の間となっています。議論の余地はあるにせよ、2社のエンド・トゥ・エンドのサプライチェーンの相乗効果と冗長性を考慮できていない点が失敗の大きな原因のひとつとなっています。設備、資産、サプライヤー、顧客、製品の重複は、収益性と効率性の大きなブレーキとなります。さらに、多くの場合、相乗効果と価値をもたらす取引先を見つけ、M&Aを正当化したとしても、その先にあるものを見越せていないことがあります。入念なデューデリジェンス(精査)を行っても、重要な意味を持つ合併の価値――そして潜在的なリスクが見逃されてしまうこともしばしばです。

多くの経営者がM&A取引に乗り気である一方、野心的な取引をいかに成功させるのかが明確にならないことを理由に、取締役会が実行に二の足を踏むのも不思議ではありません。M&A成功の見込みを高め、M&Aにつきもののリスクを低下させるためにできることとは一体何でしょうか?

サプライチェーンデザインをM&A戦略に応用して合併後の状況を向上させる

サプライチェーンデザイン・テクノロジーによる、サプライチェーンのモデル化、代替選択肢の評価、ネットワーク構成の最適化、複数のシナリオのシミュレーションを通じて、企業は、合併後の組織のオペレーションパフォーマンスを予測することができます。下記を含むさまざまな種類のM&A活動のあらゆる段階でモデル化を活用できます。

  •  合併前
  •  合併後
  •  子会社売却/分社化

サプライチェーンデザインテクノロジーを用いることで、企業は、相互に関係するすべての業務を包含し、時間と変動性を組み込んだモデルを構築できるため、 M&Aの機会と組織統合戦略の最善策を判断できるようになります。このホワイトペーパーでは、3件のM&A活動を個別に検証し、事例と共に、現行および今後のサプライチェーンの視覚化、分析、最適化に応用可能なサプライチェーンモデリングのソリューションを紹介します。

この課題を困難にしているのは、競合他社とのパフォーマンス比較が市場状況、製品タイプ、地理的条件、経済状況によって変化することです。企業が機敏性と洞察を高め、競争力を維持し、予見不可能な混乱や変化に対応するにはどうすればよいでしょうか?

合併前分析

合併前の段階では、潜在市場や買収/合併対象に関するデータにアクセスすることが難しいことがほとんどで、特にそれがこの段階での課題となります。戦略の構築と意思決定は、利用可能なデータに根差した想定に依存するところが大きいのです。企業は、サプライチェーンネットワークモデルを活用することにより、M&A戦略を視覚化、分析し、重要な想定について重要な感度分析を実行できます。

この段階にモデル化とサプライチェーンデザインを実施すれば、企業が下記を行うのに必要な洞察と意思決定支援を得ることができます。

  •  合併の過大評価など、多大な損失を伴うミスの防止
  •  代替M&Aターゲットの比較
  •  新規市場参入への最も効率的な戦略の分析

合併前分析例1:
サプライチェーンオペレーション効率を実現する真の機会は?

オペレーションの効率化について経営者や経済アナリストが行う推測には、2社のサプライチェーンに関する固有の制約が考慮されていないことがよくあります。生産能力の上限、製品の出荷、ソーシングポリシー、設備のリース契約といった制約を含むフットプリント(生産拠点、生産量)と製造の流れをモデル化することにより、サプライチェーンデザイン担当者は、オペレーション効率の条件、つまり、合併前査定において極めて価値を持つ可能性のある情報をより正確に特定することができます。

合併前分析例2:
新規市場参入を目的とする際のM&Aターゲットとして最善な企業は?

買収は多くの場合、新しい製品カテゴリ、顧客基盤、国または地域を含む、企業の新規市場参入の促進を目的に実施されます。現行のサプライチェーンのモデルを作成し、潜在的なM&Aターゲットのサプライチェーンフットプリント(生産拠点、生産量)をそれに織り込むことにより、市場占有率、オペレーション上での重複、総コストを含むトレードオフを評価することができます。この情報を基に、買収候補に優先順位を付けることができ、より確かな情報に基づいて選択した企業と交渉することができます。

 

合併後分析

買収が実行されたら、役員室で約束されたオペレーション効率の実現を支援するのは、サプライチェーン担当役員とそのチームの仕事です。2社の独自かつ複雑なオペレーションでは、資産、製品、顧客、サプライヤーが重複していることも多く、簡単な仕事ではありません。サプライチェーンモデル化とデザインは、この一連の機会を意義のあるものにするために欠かせません。

この段階でのモデル化とサプライチェーンデザインの利点には次が含まれます。

  •  わずかな中断で短期的改善の機会を見出す
  •  大きな成果ではあるが潜在的に破壊的な変化をもたらすものを同時分析
  •  コスト節約とオペレーション効率のより正確な予測を経営陣、取締役、投資家に報告可能な形で作成

 

合併後分析例1:
即時かつ短期間に成果をもたらす機会を特定する

合併後、経営陣は、できるだけ早い段階で良い結果を見せたいと考えます 。それは、(1)買収が賢明な判断であったことを証明し、(2)さらに高いオペレーション効率を目指せるよう推進するためです。サプライチェーンデザイン担当者は、サプライチェーンネットワークをモデル化および最適化することによって、「 クイックウィン(短期間で達成可能な目標)」や良い結果を出しやすい機会を特定することができます。つまり、どの資産を統合すれば、大幅な構造変更や大規模な設備投資が不要で、統合に伴うサプライチェーン中断を最短にできるかを判断するのです。このような機会は、数百万ドルに上る年間コスト節約を可能にするとともに、高い業務実現性があります。

合併後分析例2:
合併後のサプライチェーンのロードマップを作成する

個々のサプライチェーンを最適化したら、次に、それらを併合する最適な方法を判断します。拠点の選定や資産合理化では、何百万ドルものコストがかかる場合も、またそれだけの額を節約できる場合もあります。サプライチェーンモデル化とデザインは、すべての潜在的選択肢、および、3年、5年、10年のスパンで必要となる生産能力を評価し、企業が最適なフットプリント(設備、生産能力、サプライヤー、輸送手段、資産などの数と場所)を特定するのに役立ちます。これにより、2社のサプライチェーン運用をうまく組み合わせ、最善レベルの効率を実現するための体系化された長期的計画を作成することができます。

 

子会社売却分析

子会社売却やスピンオフ(分社化)の場合、それまで共有されていたリソースを分割し、製造および物流のキャパシティを縮小し、共通の顧客とサプライヤーを割り振る必要があります。サプライチェーンモデル化は、こういったシチュエーションに使用し、拠点、製品、顧客、サプライヤーのどれを維持しどれを排除するのか、また、新規設備やレーン数、キャパシティでのサプライチェーンオペレーションのコストについて、データに基づく判断を可能にします。

子会社売却や分社化に詳細なサプライチェーンモデル化を使用する利点は次のとおりです。

  •  結果として生じるビジネスにおけるキャパシティ要件や物量を特定
  •  輸送手段サービスプロバイダーやサプライヤーとの新規ビジネスの取引条件の交渉を進めるためのデータ
  •  共通の資産およびリソースから個別の状況へ移行する実施タイムライン

 

子会社売却分析例1:
新しいサプライチェーンの適正規模を判断

企業のサプライチェーンは一般的に、サプライヤーからエンドカスタマーまで特定量の物量を処理するようデザインされています。このデザインには、調達、在庫、輸送手段に関する施設のフットプリント(拠点、物量)とポリシーが含まれます。事業単位や製品ラインが売却される場合、既存のサプライチェーンの「適正規模化」が必要となることはよくあります。サプライチェーンのモデル化と最適化は、残された新ネットワークに対する適切なデザインを決定し、保持すべき資産と排除すべき資産を明確にするのに役立ちます。

子会社売却分析例2:
残されたサプライチェーンのパフォーマンスはどうなる?

新しいサプライチェーンは、さまざまな量や注文パターンでの多様な需要に対処しなくてはなりません。サプライチェーンデザインでは、新ネットワークのモデルを作成し、シミュレーション機能を使って新ネットワークが実際の条件下でどのように動くかを予測できます。シミュレーションを通じて、キャパシティ要件、出荷量、定時納品、在庫レベルの詳細な測定結果を分析し、新しいサプライチェーンネットワークのデザインを検証することが可能になります。

 

 

節税効果のあるサプライチェーンをデザインする

M&A活動中、見込みのある拠点について、他の国や地域および都市の税金関連の事項、および、本社のロケーションとして最も節税効果のあるのはどこなのかを考慮することは必須です。

モデル化テクノロジーを使用すれば、税金や関税の制約要因を捉え、税金と関税を考慮に入れた最適なネットワークロケーションを生成できます。この方法では、社内または社外の地域間で製品が移動する場合に税金や関税が適用され、より高収益でより低コストを後押しするネットワークの意思決定をもたらします。

税金を考慮にいれずに最適化されたネットワーク

節税効果のあるネットワーク

 

合併のモデル化

サプライチェーンデザインにより、企業は、2つのサプライチェーンオペレーションをうまく組み合わせ、最善レベルの効率を実現するための体系化された長期的計画を作成できます。この例では、2つの個別のサプライチェーンオペレーションのモデルを組み合わせて最適化し、新サプライチェーンの構造を提案する方法を示しています。

企業A

企業B

合併された企業

 

サプライチェーンを組み合わせ最適化するモデル化および分析を行う際に考慮される課題には次が含まれます。

物流のフットプリント(拠点、物量)

  •  施設数――既存および潜在的
  •  各施設の総キャパシティ
  • リース契約の内容と期間(運用コスト、閉鎖コスト)

製品

  •  現行の製品、コスト、量
  •  合併後の予期される新しい組み合わせ

顧客

  •  顧客のロケーション
  •  顧客のロケーション毎の製品需要と量

サプライヤー

  •  サプライヤーのロケーション
  •  製品毎のボリュームと顧客のロケーション

輸送

  •  現行のレーンのボリューム、コスト、契約
  •  潜在的な新規レーン、量、コスト

需要

  •  製品のこれまでの需要
  •  組み合わせられた製品と顧客に基づく予測される新しい需要

 

 

 

左の「PDFをダウンロード」ボタンよりドキュメントダウンロードいただくと、引き続き下記内容をご覧いただけます。

M&A事例:

事例:合併前ネットワーク最適化
事例:データに基づいて拠点選定の判断を行う
事例:合併後のサプライチェーンの適正な生産能力を計画する
事例:合併後の組織に最適な輸送ネットワークをデザインする