事例

カーディナルヘルス社

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カーディナルヘルス社

キーポイント

カーディナルヘルス社がラマソフトのサプライチェーンデザインのツールを導入したのは、自社の物流ネットワーク構成を評価し、顧客へのサービスを向上しつつ在庫コストや輸送費、人件費を削減する方法を見い出すためでした。同社では、ラマソフトのソリューションを使用した最初のプロジェクトにおいて、モデルで求解された通り、2つの地区物流センター(DC)に輸送を集約したところ、財務的に良い結果が得られました(Nucleus Research社による調査)。

  • 2か所のDCの保有在庫をそれぞれ280万ドル、190万ドル相当削減
  • 在庫維持コストを43万ドル削減
  • 輸送コストを27万6,000ドル削減

 

カーディナルヘルス社について

カーディナルヘルスは米国オハイオ州ダブリンに本社を置き、ヘルスケアサービスで910億ドルの収益(2014年)を挙げている企業です。病院、薬局、医院、外来手術施設、臨床検査機関向けに医薬品や医療製品の物流サービスを提供しているほか、手袋、手術着、輸液管理製品など医療用品の大手メーカーでもあります。

製品の配送先が1日100,000カ所を超える同社では、全国をカバーする全国物流拠点1か所と、24の地区DCで構成される物流ネットワークを運用しています。各DCには、通常5万5,000 SKUが配置されています。

 

課題

カーディナルヘルスでは、それまで複数のチームが輸送、在庫、労務について個別にサプライチェーン分析を行っていましたが、2014年、モデル化プロジェクト向けに共通のソフトウェア・プラットフォームが必要だということになりました。全てのチームで共通のソフトウェアアプリケーションを使用する方が合理的であると経営陣が判断したためでした。

さらに、同社はモデル化のプロセスをスピードアップして、サプライチェーンの問題に迅速に答えを出したいと考えました。当時は、1つの問題が生じると、サプライチェーンの分析担当者がその問題を検討する基準となるモデルを3ヶ月かけて開発するというのも珍しくありませんでした。

 

ソリューション

カーディナルヘルスでは2つのサプライチェーンデザインのアプリケーションを検討し、最終的にラマソフトを採用しました。同社のアドバンスト・アナリティクス・マネージャーであるスコット・フィンリー氏は、ラマソフトの導入を決めた大きな理由として、提供されるサポートのレベルの高さを挙げています。同社は4つのライセンスを購入し、サーバーにインストールしました。

ラマソフトのツールを利用して最初に取りかかったプロジェクトは、2つの地区DC(ミシシッピ州ジャクソンビル、テキサス州スタッフォード)に配送を集約できるかという実現可能性の検討でした。当時、同社はオハイオ州ダブリンにある全国拠点から、ジャクソンビルDCとスタッフォードDCにそれぞれ週3回、在庫補充を行っていました。検討シナリオとしては、各DCへの積荷量を半分に減らしたトラックを1台使って、配送回数を増やした場合、各地区の顧客の医薬品ニーズを満たす在庫を維持できるか?というものでした。倉庫での積荷の荷下ろしには人員と時間がかかるため、そこで、ジャクソンビル地区DCとスタッフォード地区DCの責任者は、「ミルクラン(巡回集荷)」配送方式を採用した場合、荷下ろしの作業が2日間に広がることが考えられるが、それでも、在庫のサービスレベルを維持できるかという疑問を投げかけました。

そこでカーディナルヘルスでは、サプライチェーンネットワークの現行のオペレーション状況を表すモデルを構築しました。そして「what-if(もしも)」の仮説シナリオを検証し、巡回型の配送方式が輸送、在庫、労務に及ぼす影響を評価しました。モデルの構築には、過去1年半のSKUレベルのオペレーションのデータが使用されました。ネットワークの最適化に加え、モノの流れのシミュレーションも行いました。フィンリー氏によると、このプロジェクトで初めてラマソフトのツールを利用したため、サプライチェーンの分析担当者がツールの操作に慣れておらず完了までに2週間を要したものの、「今では同じプロジェクトを2日間でこなせる」ということです。

 

主なメリット

ネットワークをモデル化したところ、ジャクソンビルDCとスタッフォードDCに毎週別々に6便(毎週各DCに3回ずつ配送)を運行させる代わりに、両DCを巡回する便の週5回の運行が可能であることが分かりました。モデルでは、むしろ補充頻度が増えることで、DCでの在庫量を減らせる可能性も裏付けられました。長距離輸送では温度管理機能を装備したトラックを考慮しなくてはならないため、トラックの運行が1便減少することは大きな意味がありました。

2か所のDCを巡回する配送方式に切り替えてから1年後、カーディナルヘルスは在庫と輸送のコスト削減とサービスレベルの向上を実現しました。ひとつのDCで280万ドル、そしてもうひとつのDCで190万ドルの在庫削減となりました。これを在庫維持費に換算すると、43万ドルの削減になります。出荷回数が6回から5回になったことから、輸送コストも27万6,000ドル削減されました。さらに、より頻繁に在庫補充が行われるようになったため、顧客注文の充足率はジャクソンビルDCでは9ベーシスポイント、スタッフォードDC では12ポイントそれぞれ上昇しました。

「在庫切れの問題が起きても、翌日にはトラックが来て、その製品を持ってきてくれます。」

アドバンスト・アナリティクス・マネージャー スコット・フィンリー氏, カーディナルヘルス社

 

ベストプラクティス

最初のプロジェクトが成功したことで、サプライチェーンのモデル化は財務的価値を生むことを実証できました。最初のプロジェクトから2年、カーディナルヘルスでは20以上ものサプライチェーンプロジェクトが実施されています。

サプライチェーンのモデル化は当初、出荷の集約の実現可能性など具体的なサプライチェーンの事案対応に使われていましたが、その後、より戦略的なサプライチェーンの課題の検討にサプライチェーンデザインツールが利用されるようになりました(フィンリー氏)。これまで数週間かかっていた「what-if」の仮説シナリオの実行も数日で行えるようになりました。そのため、サプライチェーンのモデル化担当者は経営側からの質問に素早く対応し、事前にネットワークの変更によるビジネスへの影響と効果を調査することが可能になりました。

 

おわりに

サプライチェーンデザイン・ソフトウェアを活用することで、企業は現行のサプライチェーンの構成を検討し、将来の変更の可能性を検討することができます。企業は定期的にサプライチェーンの運用を見直し、細かい微調整を行うことが可能になります。カーディナルヘルスではモデル化の財務的価値が実証されたことから、効率的な物流体制の維持を図るベストプラクティスとしてサプライチェーン分析を活用しています。

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