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アマゾンとホールフーズ: 変化する市場で競争優位を確保するための4つのカギ

By LLamasoft  September 15, 2017

6月に発表されたアマゾンのホールフーズ買収というニュースは、食品小売業界に大きな衝撃をもたらしました。アマゾンは事業拡大を続け、その勢いが止まらない一方、食品小売企業は競争が激化する市場でビジネスを維持する新たな手段を模索しています。会員制の食材セットのような宅配サービスの急速な拡大と相まって、食品小売業界は極めて速いスピードでイノベーションの道を進んでいます。

従来型の食品小売のモデルが崩壊しつつあることは明らかですが、では食品小売企業はどう対応したらいいのでしょう? 会社にとって適切な新たなアプローチとは? 多くの企業が「ネット注文・店舗受取」というモデルを始めている中、別の選択肢はあるのでしょうか? イノベーションにかかるコストは? そして何より、現行のネットワークやビジネスにどう影響するのでしょう?

小売業界では長年こうした変化に対応してきましたが、マルチチャネルのアプローチが食品小売業界で検討されるようになったのは最近のことです。こうした中、変化する需要に遅れることなく、コストとのバランスを確保するための不可欠なツールとして、サプライチェーンのモデル化が注目されています。では、食品小売企業は実際のネットワークをどう活用して運用を調整し、マルチチャネルの市場開拓戦略を実現できるのでしょうか?

変化の激しい時代に遅れを取らず、競争を勝ち抜くための持続可能で効果的なマルチチャネルのアプローチ。私たちは、それを実現するための4つのカギを解き明かしました。

  1. サプライチェーンのネットワーク構造
  2. 在庫バランス
  3. 輸送
  4.  サービス

 

サプライチェーンのネットワーク構造

顧客が商品を購入する時、どのチャネルであっても同じブランドでは同じレベルのサービスを期待します。最適なコストでシームレスな顧客体験を提供するには、小売企業は既存のサプライチェーンネットワークを合理化する必要があります。つまり、既存のネットワークを分析し、次のような難しい「what-if(もしも)」に答えを出すということです。

  1. キャパシティの追加はいつ、どこで必要になる?
  2. 新たな施設の最適な場所はどこ?
  3. 新たな拠点は賃貸する?建設する?
  4. どの顧客に対し、どの施設で注文処理を行う?

このような複雑な判断や検討は、スプレッドシートを使った計算や長時間の会議だけでは対処できません。サプライチェーンデザインのテクノロジーを利用すれば、エンド・トゥ・エンドのサプライチェーンのデジタルモデルを構築し、様々なシナリオを並べて表示しながら評価、比較することができます。現実世界の変動要素を考慮したうえでテストすることができるため、拠点の選択やモノの流れについて、より適切な判断を下せるようになります。

 

在庫バランス

マルチチャネルによるフルフィルメントは、在庫の配置ばかりでなく、サプライヤーから店舗へ、または直接顧客へという補充のプロセス全体に影響します。港やDCなどフルフィルメントのプロセスの後半で顧客に在庫を割当てられれば、変動しやすい需要に複数のチャネルを使って柔軟に対応できます。このアプローチではDCでの変動費用が増加する可能性はありますが、異なるチャネル間で在庫を共有できることから、全体としては在庫コストを削減できるでしょう。また、オムニチャネル戦略の中で在庫ポリシーを構築する際には、販促や季節的な需要の変動も考慮する必要があります。

 

輸送

小売企業が様々な配送目標を評価する際、特に商品の鮮度など輸送ポリシーに大きく影響する様々な要素があります。オムニチャネル戦略の収益への影響を把握するには、以下のような重要な要因を中心にコストとサービスの分析を行います。

  • 輸送手段の選択をどう最適化する?
  • 提供するサービルレベルは?コスト的なトレードオフは?
  • 自社車両を使う?3PLを使う?
  • 小包配送を活用してサービスレベルを満たす最も効果的な方法は?
  • コストとサービスのバランスを確保するには、インバウンドとアウトバウンドの流れをどう変えればいい?
  • 商品の鮮度を考慮するには、調達戦略をどう調整する?

 

輸送最適化により、他の輸送オプションや主な可変要素(コスト、時間、キャパシティ、配送のパラメーターなど)を組み込んだサプライチェーンネットワーク全体をモデル化することができます。そして、総コストやサービスの制約に基づき、最適な輸送プランを見極められます。

 

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サービス

マルチチャネルのアプローチに取り組む最大の目的は、より良いサービスを顧客に提供することです。しかしながら、こうした高いレベルのサービス提供には、現在では想定していないコストが伴うでしょう。最適な輸送手段とサービスの構成とは? 顧客の期待や利便性を考えた場合、顧客に提供すべきサービスレベルとは?個々の顧客が魅力を感じるサービスを正確に測り知ることはできないため、様々なサービスレベルとコストに基づくオプションを提供し、顧客自身が自分に合うオプションを選べるようにすることが必要です。シナリオを使って、様々なサービスレベルが輸送コストにどう影響するかを事前に評価、テストしていれば、顧客に幅広い選択肢を確信をもって提供できるようになります。

モデル化により最適なサービスとコストのシナリオやトレードオフを見極めた上で、代替のサービスのシナリオをシミュレーションし、そのパフォーマンスをテストできます。無限と思われる市場の変化の中で、ビジネス目標を考慮しつつ、変化する顧客の嗜好に適応できる信頼性の高いネットワークを持つことは、新たな食品小売の世界において勝負の決め手となるかもしれません。